メンタルヘルスと精神医学

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メンタルヘルスの理解にあたり、こころの不調や疾患については、なかなか理解できない方も多いと思います。このコーナーでは、少しづつ、こころの不調について解説しながら、食事で心を整える方法など、セルフケアに役立つ情報をお届けしていきます。初回の今回は精神疾患と精神不調との違いを前提に、医療としての精神医学の国内外の現状についてまとめてみました。

精神医学とは何か?

精神医学は医学分野の多彩な領域の一つです。体の専門医科が40、50種とあるが、心の病気を扱う医科はせいぜい精神科と心療内科ぐらいのものです。
しかし、心身という意味で精神医学と身体医学に分けるとするなら、「こころ」と「からだ」という対極の2大領域とも言えます。その割に精神障害について理解をしている方々は圧倒的に少ないようです。それは不幸にも過去の「臭いものには蓋をする」といった排他的な日本の社会環境が人々のこの疾患に対する理解を妨げてきたことも要因の一つでもあります。
現に心療内科という医科は、実は日本にしかないのです。日本特有の排他的な環境から生まれた医科だからです。
日本では精神科に通うことが社会的に特別視されたり、排他の対象にされたりという不遇時代がありました。そこで厚労省は気軽に病院に行けるようにと、精神科ではない内科という名称をつけた心療内科という医科を新設したという背景があります。現在では心療内科は主に心身症(過敏性腸症候群のようにストレスが原因で身体に症状が現れる病気)を見るのに対して精神科は精神症状(精神疾患)を見るというように分化されているケースが多くなっています。

身体障害に伴う症状はお腹が痛い、咳が出るなど、目に見えてわかるし、風邪、糖尿病、心臓病など、その病気になると大抵共通の症状がでてくることもあり、その病気への理解があるのに対して、精神障害の場合はその病名にこの症状とはっきり区別できないところがあります。そのため精神科では病名よりも症状を重視して診断・治療を行います。

本稿ではその点を踏まえ、処方については、妄想・幻覚といった疾患特有の症状ではなく、抑うつ状態や意欲低下、疲れや不安といった、一般的な不調に特化してその緩和のためのハーブをご紹介していくことにしたいとおもいます。

メンタルヘルスの領域

精神医学と異なりメンタルヘルスとは「心の健康」と意味されます。
精神疾患が病気そのものだとすれば、メンタルヘルスは病気の前段階(グレーゾーン)を含み、かつ病気にならないようにする予防を含む広範囲の領域と考えられます。
例えば、お腹が痛い理由にも様々があるように、眠れない理由もさまざまです。病気が原因の場合もあれば、心配事などが強くこころに残り精神状態が興奮しているために寝付かれないなどの状態かもしれません。

ご存知の方も多いでしょうが、WHOは健康について、「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態」と定義しています。
厚生労働省は、国民の健康を保持するために広く継続的な医療を提供すべき疾病として、「がん」「脳卒中」「急性心筋梗塞」「糖尿病」の4種類の疾患を掲げていましたが、2011年に新たに「精神疾患」を加えて5疾病とし、対策に力を入れています。

以下のグラフの通り、精神疾患は今や体の病以上に深刻なのです。


精神保健福祉ハンドブックより引用

また、「障害調整生命年DALY(disability-adjusted life year)」という言葉をご存知でしょうか?
これは病的状態、障害、早死により失われた年数を意味した疾病負荷を総合的に示すもので、1990年にWHOは10大障害原因のうち5つまでが精神疾患によるものであると報告しています。

上記のグラフを見ていただくと、疾患によってどの程度生活の質を損失したかがわかると思います。
このDALY(障害年数)を考慮に入れると、日本でも実は精神疾患が非常に大きな影響を与えていることがうかがえます。

ところで精神疾患の予備軍とも言えるものが心の不調(dis-order)と言えます。生活習慣病予備軍のメタボリック・シンドロームのようなことかもしれません。
体の不調同様、心のケアも日々メンテナンスが必要なのです。認知症や高齢者うつなど精神的フレイルなどが注目される中、不調は疾患予備軍なので植物療法をうまく活用することはDALYを削減する上でも重要となるでしょう。

(文責 橋口)

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