糖化と疾病ー【抗糖化を考えよう】アンチエイジングシリーズ③

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これまで糖化のメカニズムについてご紹介してきました。
今回は、糖化と関係の深い代表的な疾病について、お話ししていきます。
糖化はAGEsの発生、蓄積によって全身の細胞が障害されます。まず血中でブドウ糖とたんぱく質が結びついて始まり、血管壁に糖化物が付着して血管を変質・劣化させます。このような血管障害が全身で起きるため、体のあちこちの部位で症状が現れます。

糖化と疾病

糖化と糖尿病

健康な人では、血糖値は食事後にやや上昇しますが、その後穏やかに下降します。これは膵臓ホルモンのインスリンが分泌されることで、全身の細胞で糖が取り込まれ、エネルギーを作り出したり、蓄えたりして血液中の糖が少なくなるからです。 
糖尿病はこのインスリンが不足するか、うまく働かなくなるため、常に血糖値が高い状態になってしまう病気です。
血液中に余った糖とたんぱく質の結合で起きる糖化は血管を損傷するため、糖尿病の症状は血管障害によるものと言えます。

血液も糖化します。酸素を運ぶ働きのあるヘモグロビンというたんぱく質が血液中のグルコースという糖と結びついて糖化する現象が1968年に発見されました。以来、この糖化したヘモグロビンを「ヘモグロビンA1C」と呼び、糖尿病の検査では必ずその数値が調べられます。
糖尿病が進んでしまうと、この糖化したタンパク質である「ヘモグロビンA1C」の数値が上昇していきます。糖化のもっとも大きな原因は糖分と炭水化物の摂りすぎです。糖分と炭水化物をたくさん食べれば、血液中のブドウ糖の量は増え、それを細胞に運ぶインスリンも大量に必要になります。
糖尿病の診断基準は空腹時血糖が110未満を正常、110~126未満を境界域、126以上を糖尿病としています。

またヘモグロビンの糖化度を示すヘモグロビンA1cも診断基準に使われ、6.5%以上は糖尿病を疑います。
ただし、これらが正常値でも、食後血糖値が200を超える人、インスリンの血中濃度が高い人は要注意です。インスリンが過剰分泌されている人は体内で糖化が着々と進んでいる可能性があります。

糖尿病が引き起こす、「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」糖尿病三大合併症とよばれています。

これらは毛細血管の障害が原因で発症しますが、血管はコラーゲンで作られているため、糖化で発生したAGEsによって劣化します。またマクロファージがAGEsを食べる際、血管のコラーゲンにもダメージを与えます。
その損傷を回復しようと繊維化増殖因子(TGF-β)を出しますが、繊維化によってかえって血管が硬化し、脆くなってしまいます。

糖尿病患者さんの皮膚は茶色がかってきますが、これは皮膚のコラーゲンの糖化、つまり焦げによるのです。糖尿病では全身の臓器が障害されます。従来の糖尿病治療では血糖値を下げれば良い、とされてきましたが、それでは不十分です。全身の状態を診て、心臓、腎臓、肝臓、血管などのいろいろな部位で治療を行う必要があります。