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今月から始まる新しいシリーズです!

アンチエイジング(anti-aging)とは「抗加齢」を意味する言葉で「抗老化」とも言います。いつまでも若々しい心と体を維持したい、実際の年齢よりも若く見せたい(見られたい)、出来るだけ長生きしたい、といった欲望は、老若男女すべてに共通しているテーマですね。アンチエイジング医学は生活習慣を改善して健康長寿を目指していく医学であり、アンバランスな病的老化の予防、治療を基本としている。また、老化のメカニズム解明や抗加齢医学に基づく医療の実践、各科に渡る全身的医療もアンチエイジングの分野です。
このシリーズでは元気でいられるための健康維持に不可欠なアンチエイジング(坑老化)を理解する上でキーワードとなる「酸化」と「糖化」の関係を踏まえながら、昨今話題の「抗糖化」の基本と糖化を防ぐ生活についてご説明していきます。

セルフケア推進協議会 代表理事 橋口智親


酸化と糖化とは

アンチエイジングのキーワードとして、「抗酸化」と「抗糖化」があります。よく聞く言葉ですが、意外と説明すると難しい分野ですね。

糖質は生命を維持するためのエネルギー源であり、水と酸素は、糖を使ってエネルギーに変える際に必要不可欠な要素です。人は、糖質、脂質、タンパク質と言う3大栄養素水と酸素を使って体内で燃焼させエネルギーを生成します。そのプロセスをスムーズに行うため、ビタミンやミネラルが必要なのです。(そのプロセスをエネルギー代謝という。)

そのエネルギー代謝の過程で身体にとって有害な生成物となる「活性酸素(フリーラジカル)」が発生します。活性酸素は体内で殺菌作用などのプラスの働きをする一方、過剰に発生すると一転して体内の細胞を傷つけ始める有害な物質に変わります。

酸化とは身体が錆びること。(活性酸素による酸化ストレス)

そうならないために、人間の体には先天的にこの活性酸素に対する防衛システムが備わっており、体内に持っている酵素や、体外から摂取するビタミンやミネラルなどで、余剰に発生した活性酸素の処理をします。しかし、そのキャパシティを超えると、多くの細胞が活性酸素によって損傷を受け、死滅してしまうのです。活性酸素に細胞が傷つられることを化学的に酸化と呼び、その酸化によって細胞が死んでしまうことを生命科学の分野では老化と呼んでいるのです。

このようにヒトの体も酸化します。よく体が錆びるという表現を耳にしますが、これは金属の表面に酸素が作用してできる酸化物を一般的にサビと呼んでいますが、ヒトの細胞が活性酸素に損害されることを、「サビる」と例えているのです。

糖化とは身体が焦げること。(糖質とタンパク質の結合)=糖化→AGEsの増加

また、アンチエイジングのもう一つの危険因子が糖化です。
簡単にいうと、体の中で、消費されずに余ってしまった糖質と体内を構成するタンパク質が結びついてしまうことです。よく砂糖を熱すると焦げてカラメルのようになります(メイラード反応)が、それと同じ現象が細胞内や体内の組織内で起きることなのです。
それによって、老化促進物質の最終糖化産物(AGEs)が出来てしまい、この物質が、前述の活性酸素同様、体、つまり細胞の老化を進めてしまうのです。

加齢に伴って促進する病態である、糖尿病合併症、動脈硬化、アルツハイマーいずれにも糖化が関与しています。また現代日本において、2千万人ともいわれる糖尿病予備軍の数からしても最大の危険因子といえます。また糖化は酸化とともに、肌の老化にも深く関与します。皆さんもご存知のコラーゲンは、私たちの体の中で、皮膚や血管、臓器などに最も広く存在しているタンパク質です。年齢的に若いときには、そのコラーゲンを合成する酵素がどんどん分泌されるので、肌のハリやツヤを、いわゆる若々しい状態に保つことができています。年齢を重ねるごとに肌のハリやツヤが劣化してくるのは、この酵素の働きが弱くなってくるからです。

糖化と酸化の関係

フリーラジカルに対する防御システムの中に抗酸化酵素があります。抗酸化酵素の主成分はタンパク質です。実はここで糖化が問題になってきます。

タンパク質が糖化によって変性・劣化することにより、この抗酸化酵素の能力を発揮できない状態になってしまいます。これによって体内に発生したフリーラジカルを防御する機能が低下し、生体内の多くの細胞がフリーラジカルの攻撃にさらされることになるのです。つまり糖化は生体内のさまざまな場所でおきる酸化のダメージを助長することになってしまうといえます。

糖化と酸化は互いに関連が深く、この両者がそろうと、老化の危険度は5倍にも10倍にもなります。健康年齢(寿命)と合わせて、最近では糖化年齢という言葉もあるほど、糖化が注目されているのです。
アンチエイジングとは、正常な老化に関わる遺伝子のスイッチをオンにし、病的な老化に関わる遺伝子のスイッチをオフにするような生活習慣を身につけることとであり、できるだけ正常な老化に近づけ、できるだけ病気になりにくい体づくりを目指すことなのです。そのためには危険因子である、酸化と糖化をいかに防ぐかが重要になって来るのです。

次回は糖化のメカニズムを詳しくご紹介します。