[運動と栄養]シリーズ②

平均寿命の長さは世界でもトップクラスの日本ですが、平均寿命と健康寿命※との間には男性で8.84年、女性で12.34年の開きがあります。
(厚生労働省の国民生活基礎調査 2016年)。

この年数は、寿命を全うする前になんらかの健康上の問題で要介護または寝たきりの状態になっている期間を意味しています。せっかく長生きできるのなら、最後まで元気に過ごしたいものですね。
そこで今回は、その健康寿命を大きく左右するロコモをピックアップ。その意味と予防法、栄養との関わりについてご紹介していきます。

※健康寿命

WHO(世界保健機関)が2000年に提唱した概念。医療や介護に依存せず、自立した生活ができる状態での生存期間のこと

●ロコモとは何か

ご存じの方も多いかもしれませんが、ロコモとは、ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)の通称名です。ロコモティブとは「運動の」という意味で、和名では「運動器症候群」と言われます。運動器とは、骨・関節・靱帯、脊椎・脊髄、筋肉・腱・末梢神経といった、体を動かし、支えている組織や器官のことで、この”「運動器の障害」によって、移動機能の低下をきたした状態を引き起こし、その結果、骨折・転倒によって「要介護になる」リスクの高い状態になること”をロコモと言います。これは2007年に日本整形外科学会により、運動に関与する骨格筋の量は基礎代謝量の低下に比例*するため、高齢化社会への対応として国民や医師の意識改革が必要だとし、新たな概念(ロコモ)として提唱され、その概念の普及や啓発が行われ現在に至ります。
また、ロコモの原因を整理してみると、大きく二つの原因に分けることができます。
①運動器の疾患
変形性関節症、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症が原因の骨折、関節リウマチなど
②加齢による運動器機能不全
加齢によって筋力や持久力が低下し、運動機能が衰える。それによって余計に運動不足となり、筋力やバランス能力がさらに低下し、転倒、骨折のリスクが高くなる。

基礎代謝量の年齢変化の推移

●ロコモを予防するにはどうしたらよいか?

骨や関節、筋肉などの運動器の衰えを防ぐには、ロコモを意識して運動習慣をつけることが大切です。元々スポーツが好きな方でも、年齢からくる身体の衰えにはかないませんから、やり過ぎて怪我をしたり、慢性的な不調とならないように心がけたいものです。
また、毎日の食事にも気をつけなければなりません。骨のためにカルシウムを牛乳でとっているから大丈夫!ではないのです。骨をつくる栄養素としては他にも、下記のような栄養素を総合的に日々の食事に取り入れた方がよいでしょう。

ビタミンD (あんこう、べにさけ、キノコ類など)
ビタミンK (ひきわり納豆、パセリなど)
マグネシウム (しらす、大豆製品、海藻類など)
ビタミンB6 (レバー、まぐろ、かつおなど)
ビタミンB12 (魚介類、レバー、のりなど)
葉酸 (レバー、うなぎ、緑黄色野菜)

ロコモは啓発運動が盛んに行われているため、自分がロコモかどうかのチェック方や、予防としての運動法、栄養についてなど、詳しい解説がホームページ上でも簡単に確認することができます。病院や公共施設などにもパンプレットが設置してある場合も多いので、一度ご自身の目で確認してみてはいかかでしょうか。

次回は、このロコモティブシンドロームと関係の深い、サルコペニアやフレイルについて、ご紹介します。


《参考》
ロコモONLINE 日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト
https://locomo-joa.jp/locomo/

公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/index.html