【フレイルを考えよう その1】フレイルって何? 

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昨今、話題になってきた、「フレイル」について、基本的な考え方やフレイル対策に関与する栄養成分や機能性成分についてご紹介していきます。

フレイルは超高齢化のキーワード

超高齢化社会になると、様々な不調がその背景に関わってきます。生活習慣病の予備軍がメタボであり、骨粗鬆症の予兆はロコモサルコペニア、そして認知症や老人性うつの前段階としてのMCI(軽度認知障害)などは、昨今の話題になり始めました。
そこで数回にわたって、その背景となるフレイル(虚弱)についてお話ししたいと思います。

フレイルとは身体だけではなく、心(精神)、社会(人との関わり)の3分野において弱っていく状態を意味し、介護状態になる危険は高いが、まだ健康維持が出来ている状態です。すでに生活機能の障害により自立生活を送れない状態(要介護)とは区別しています。
65歳以上の高齢者を対象とした調査によると、フレイル有症率は65歳から69歳で5.6%であるのに対し、80歳以上では34.9%にまで達します。その人口は年々増える一方で、その予備軍まで含めると2025年には、1,620万人、約44%もの高齢者がフレイル状態になると予測されています。つまり3人に一人がフレイル状態になっていくということです。

身体的フレイルは運動不足と低栄養状態から

加齢に伴う筋肉の量・力・機能の変化には個人差があります。
早期から筋肉の量や機能が低下していく「サルコペニア」は、体質、加齢、生活環境・習慣、慢性疾患等の合併によってフレイル状態を引き起こし、さらに機能障害をきたします。しかし日々の運動やリハビリによって機能障害の時期を遅らせる可能性が高まります。また「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」 (通称:ロコモ)とは「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態 」のことを表し、運動器(骨、関節、筋肉)にトラブルがあるために、歩行や筋力、バランスなどが低下し、日常生活に影響が出つつある状態、あるいはすでに影響が出ている状態を指します。その原因には、「加齢や生活習慣による運動器の機能低下」によるものと、「運動器疾患(骨や関節、筋肉の病気)の発症」によるものとがあります。前者は筋力とバランス能力の両方が低下することで、後者は骨・関節・筋肉の病気によって移動機能が低下するケースです。健全な運動機能を維持するためには、日常的に身体を動かすことが必要で、散歩程度でもよいので、軽い運動を続けることが大切です。
また高齢になると、身体機能が低下し、全体の活動量が減少します。活動量が減るとエネルギー消費量も減少し、エネルギーが消費されなければ食欲がわかず、食事量も増えず、「低栄養状態」に陥り体重減少が継続し、サルコペニアがさらに進行します。低栄養は身体的フレイルを起こす最大の要因です。

運動して身体機能を維持するにも、体をつくる栄養素が必須です。タンパク質は意識的に摂っていてもエネルギーとして使われてしまうと筋肉合成には使われません。高齢になるとタンパク質の合成能力が若年層や中高齢層に比べて低下し、よりいっそう摂取不足に陥りやすくなるため、あえて多めの摂取が必要となります。

骨を作るといえばビタミンD。不足すると血中カルシウム濃度を維持するために副甲状腺ホルモンが増加し、骨からカルシウムを放出するため、骨が弱くなってしまい、骨粗鬆症のリスクが高まります。またビタミンDは筋肉中のタンパク質合成を促進するので、タンパク質の吸収を高めるB6との組み合わせも有用です。
あるいはB12や葉酸、さらには必須アミノ酸(特にバリン、ロイシン、イソロイシンのBCAA)、グルコサミン、コラーゲン、ヒアルロン酸、大豆イソフラボンや卵黄ペプチドといった、骨・筋肉・関節サポートサプリの活用も効果的です。

次回は認知症に代表される精神的フレイルについてお話しします。