[食材選びは栄養素から!]シリーズ③

セルフケアを意識した生活を送るために、欠かすことのできない毎日の食事。ご自身、またはご家族の健康を考えて作る献立は、楽しくもあり、難しくもあるものです。そこでこのシリーズでは、見過ごしがちな普段づかいの食材の栄養素をクローズアップしていきます。「この栄養素とあの栄養素が足りていないから、今週はこの食材を使った料理をつくろう!」と、買い物をしながら頭の中で献立ができあがるようになれば、もうセルフケアの上級者!?
みなさんの毎日の献立づくり、総菜選びのヒントとしてご活用ください。


手軽に摂れるカルシウム源としてもお馴染みの“しらす”。
3~5月に旬を迎え、この時期には水揚げされたままの生のものが手に入りやすくなります。しらすは、カタクチイワシやマイワシ、イカナゴなどの稚魚の総称で、一般的には水揚げ後に釜ゆでしただけのものを「釜揚げしらす」、釜ゆで後に軽く乾燥したものを「しらす干し」、さらに干して乾燥させたものを「ちりめんじゃこ」と言います。傷みやすい稚魚ですが、このように加工の工夫によって私たちが通年食べることができる食材となっています。

このしらす、丸ごと食べられることでカルシウム補給ができ、骨を強くするといったイメージでよく食べている、という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カルシウム以外の栄養素をクローズアップしてみましょう!

●王道のカルシウムはビタミンDとのセットでパワーアップ!

カルシウムは骨や歯を構成する重要な栄養素であることはご存じのとおりですが、骨の健康を維持するには、他のミネラルやビタミンなどの助けも必要です。中でも、ビタミンDは小腸からのカルシウムの吸収を助ける役割を持っています。ビタミンDと共にカルシウムを摂取することで、カルシウムを効率よく体内に取り込むことができるのです。また、現在の超高齢化社会においてビタミンDは、骨粗鬆症の予防だけではなく、脳内物質にも深く関与していて、認知症やうつ病などの精神疾患の予防にも重要なビタミンとして注目されています。ビタミンDはカルシウム同様、日本人にとって不足しがちな栄養素の一つですから、しっかり食事から摂取できるようにしましょう。
このビタミンDがしらす(特にしらす干し)には多く含まれており、カルシウムとの協力体制で骨や歯の健康に役立つ食材と言えるでしょう。

ビタミンDの働きはこちらで確認しておきましょう。 

●ビタミンB12

しらすが持つ栄養素として、意外と知られていないのがビタミンB12です。
このビタミンは、さまざまな動物性食品に含まれ、体内では肝臓にも蓄えられているため不足の心配はほとんどありませんが、不足すると赤血球が減るなどといった悪性の貧血に見られる状態に陥る危険性があります。菜食主義や動物性の食品が苦手な方など、かなりの偏食の方は意識して摂取したいビタミンのひとつでもあります。
また、ビタミンB12は中枢神経(脳や脊髄の神経)の機能を維持・改善する働きがあるといわれています。睡眠障害の改善や時差ぼけの早期改善といった、自律神経に関わる不調の改善に役立つ栄養素がしらすに含まれているのです。腰痛や肩こりの緩和にも役立ちます。

ビタミンB12の働きはこちらで確認しておきましょう。 

●小さいけれど…しらすは縁の下の力持ち!

小さすぎて見落としがちかもしれませんが、しらすは頭から尾ビレまで丸ごと食べることができる魚のひとつに違いありません。その分、含まれている栄養を惜しみなく摂ることができます。骨や歯を作るために重要なカルシウムやビタミンDが豊富であることは先にご紹介したとおりですが、骨や歯の形成に関与するミネラルは他にもマグネシウムやリンなどが挙げられます。しらすには、微量ながらもそれらのミネラルも含まれているのです。
小さいながらも様々な栄養素を含み、調理の必要はなく、買ってそのままの状態で食べられることからも、忙しい現代人、成長期のお子さん、骨粗鬆症予防が気になる年代など、幅広い世代に役立つ食材です。

旬の時期にはシラス丼などにして贅沢にたっぷりと味わいたいものですが、それ以外の時期にも手に入る食材です。大根おろしにしらすといった定番メニューだけでなく、サラダやお浸しのトッピングなどにして毎日の食卓に“ちょい足し”してみてはいかがでしょうか。

《参考》
日本食品標準成分表2015年版(七訂)第3章 資料
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365449.htm

文部科学省 食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl