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機能性表示食品の概要

2015年に制定され、現在(6月)までに800種類以上の製品が届けられた機能性表示食品ですが、簡単にその制定された背景や目的についてご紹介します。

背景:機能性食品として食品表示法の中で規定され,施行されたました。この制度はアべノミクス政策の一つとして、2015 年 4 月1日に機能性表示食品制度が第 3 の保健機能食品として、2013 年 6 月に内閣府の規制改革会議の健康・医療ワーキング部会から提案された食品への新たな機能表示が閣議決定されたことに端を発しています。

米国において導入された,企業責任下での食品への 身体の構造機能表示の日本版を目指したもので、関連 業界では特定保健用食品とは異なり、中小企業にもビジネスチャンスがおよぶ機能性表示制度ができ、消費者にとってもより理解しやすい機能性が表示された食品を購入する機会が増える制度である、という観点から産業界では大きな期待がもたれました。
実際の取り組みとしては、この閣議決定を受けて主担当官庁である消費者庁が 2013 年 12 月に検討会を起ち上げ、厚生労働省・農林水産省も参画するなかで、2014 年 7 月の報告書公表まで計 8 回の討議がなされました。(当協議会の代表もこの討議に参画しておりました)

その後、パブリックコメント公募、消費者委員会への諮問、規制改革会議との討議等を経て、期限ぎりぎりで閣議決定どおりの日程で施行されました。

ここでは新たな食品の機能性表示制度である「機能性表示食品」の概要を中心に紹介すると共に、国際的な類似の食品における健康強調表示制度(ヘルス クレーム)との異同、B 群ビタミン・バイオファクターの科学の進歩を鑑みるとき本制度に対して今後の対処も含めて紹介します。

機能性表示食品とは
特定保健用食品および栄養機能食品に加えて機能性表示ができる食品で、第 3 の保健機能食品として、2015 年 4 月 1 日より食品表示法に規定されたました。本制度の策定については,2013 年 12 月に検討会(新しい食品の機能性表示制度に関する検討会)が,起ち上げられ,8 回の討議を経て,2014 年 7 月 30 日に報告書案が公表された.この新たな健康強調表示制度は, 米国の DSHEA 法に定められた構造 / 機能強調表示を参考に企業の自己責任に基づく届出制である。
既存の特定保健用食品が,国による承認制度,そして栄養機能食品が、対象栄養素,その配合量および栄養素機能表示が,国によって規定されている制度であることから,本制度は,かなり異なる.

1)国の関与
主な担当官庁は,消費者庁〈食品表示企画課〉であるが,厚生労働省〈新開発食品対策室,麻薬監視指導課等〉 および農林水産省も関与する. 基本的規則は,消費者庁への事前届け出制で,受理番号発行後 60 日以降に届け出た機能性表示を表示した商品の販売が可能となる. 販売に際しての要件としては,消費者庁への届け出時に提出した,当該製品の安全性および機能性に関連 するすべての情報を当該企業のウェブサイトに消費者が理解しやすい記載内容で公開することである. 制度環境としては,下記の 4 点がある.
*食品表示法に定義づけられ,管理される
*市販後の回収,販売禁止については,厳しく管理
(消費者庁,厚生労働省 および公正取引委員会〈景品表示法〉
*消費者センター等による健康被害等の情報収集の強化
*施行後 2 年を目途に制度の再評価〈ビタミンを対象成分にするか否かは,この時点から検討〉

2)安全性の確保
機能性対象成分の食経験が十分と評価される場合には,その時点で,安全性が確保されたものとみなされる.「十分な食経験」に関する具体的な定義は設定されていない.
食経験が不十分の場合には,厚生労働省から提案された安全性評価法に基づき安全性を評価する.
既存の安全性データの評価,あるいは新たな安全性データの取得が求められる.
また,常に話題となる機能性対象成分と医薬品(食品由来機能性成分)との相互作用については,関連する情報をできる限り検索して,
相互作用情報がある場合には,それらの情報を開示する.
さらに,過剰摂取による健康被害を事前に防ぐために,
1日摂取目安量の設定は,非常に重要である.
企業のとるべき対応として,
健康被害等の情報を収集するため,および消費者への相談業務を司る組 織を社内に設ける.また,収集されたこれらの情報はすみやかに,保健所および / あるいは消費者庁等に連絡をすることが求められている.

3)品質の確保
製造工程管理および品質保証のために,GMP, HACCP,ISO22000 あるいは FSSC22000 の導入が大いに推奨される.
特に,錠剤,カプセル形状の製品については,GMP 管理が強く求められるが,米国のように義務化にはならなかった.加えて企業は,適切な製品規格を定め,第 3 者分析機関あるいは自社による分析が必要である.当然のことながら,健康被害事象が起こった際の対応のためにロット毎の保存サンプルを保管する.

4)機能性の根拠
表示したい機能性の科学的根拠を確保するためには,2 種類の手法があり,企業自身がいずれかを選択する.
第 1 の方法は,既発表の関連論文を基に科学的根拠を確認する方法で,機能性関与成分あるいは最終製品に関するシステマティックレビューを実施あるいは, 根拠の総合的な観点から関連するシステマティックレヒューを評価.なお,上記のシステマティックレビューは,最低 1 報が求められる.
第 2 の方法は,最終製品の臨床試験を実施して実証する方法で,特定保健用食品の試験方法に準じて介入試験を実施.なお,臨床試験の事前登録“UMIN 臨床試験登録システム”等が基本であるが,経過措置期間が設けられ,1 年間の猶予がある.また,研究結果について,Consort 声明等に準拠した形式で査読付き論文により報告することが必須である. 他方,その他加工食品及び生鮮食品においては,科学的根拠として観察研究の肯定的結果だけで機能性表示をすることが可能.一方,本制度においては,カプセル剤のみがサプリメント形状食品と規定され,介入試験の結果が求められる.なお,機能性成分の作用機序は,可能な限り検討するとなっている.