ウコンに含まれる化合物であるクルクミンは、がんやアルツハイマー病など広範な健康状態に対する自然療法で使われてきたが、クルクミンに関する科学文献のレビューをしたところ、そのような根拠があるわけではないようだ。

・・・続きはこちら↓

ウコンと言えばカレーやマスタードにしばしば加えられるスパイス、ターメリックであり、伝統的な医学で何世紀にもわたって使用されてきた歴史がある。
機能性成分の一つクルクミンは、がんやアルツハイマー病など広範な健康状態に対する自然療法で使われてたが、クルクミンに関する科学文献のレビューをしたところ、そのような根拠があるわけではないようだ。

そもそもウコンには50種類ほどの種がある。中でも日本で栽培・利用されているのは主に『春ウコン・秋ウコン・紫ウコン』の3種類。春にピンクの花を咲かせる春ウコン(キョウオウ、Curcuma aromatica Salisb)、秋に白い花の咲く秋ウコン(ウコン、Curcuma longa L.)、ガジュツ(紫ウコン、Curcuma zedoaria Roscoe)の3つ。
特に秋ウコンに黄色の色素であるクルクミンが含まれている。学名も、クルクマ ロンガというほど、クルクミンが特徴成分だ。

クルクミンの機能性については強い抗酸化作用を持ち、胆汁酸の分泌作用があることから飲酒による二日酔の予防への効果や肝機能の強化やコレステロール低減などによる生活習慣病の予防効果があるため、二日酔いにウコンが良いとされている。それ以外にも、認知症の予防に役立つと言われてきた。

今回の学術レビューでは、この認知症予防へのエビデンスに関する報告だ。
本研究では、これまでの多数の報告とは対照的に、この化合物がもつ治療効果は、あるとしても、限られたものしかないようだ、とするエビデンスを挙げている。
科学者らは1990年代初め以来、ウコンの約3~5%を占めるクルクミンについて臨床研究者による120以上の臨床試験が行われてきた。今回の研究チームは、クルクミンの医薬品化学の根幹に到達するために、このテーマに関する数千の科学論文から重要な発見をした。研究者らがクルクミンの膨大な文献をレビューしたところ、クルクミンは生理的条件下では不安定であり、体に吸収されにくいという性質があるため、治療の候補としては不十分とされていた。さらに二重盲検プラセボ対照臨床試験のエビデンスから、潜在的治療法となり得ないことが判明した。しかしながら研究者たちは、ウコンの研究は止めるべきではないとしている。ウコン抽出物や製剤は、現在推奨されているほど多くの疾患には効果がないかもしれないが、肝臓ケアを中心とした健康効果をもつことは明らかだ。
研究者らは、今後の研究で、ウコンの潜在的効果に相乗的に効果をもたらす可能性のあるスパイスの多様な化学成分を説明するために、より包括的なアプローチをとるべきだと示唆している。
出典は『医療化学雑誌』 http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.jmedchem.6b00975