柑橘類の中でも最も日本人にはなじみ深い果物、みかん※
みかんに含まれるカロテノイド成分として知られるβクリプトキサンチンが新たな視点で注目を浴びています。
※皮がむきやすい小型の柑橘類。ここでは温州みかんのことを指します。

みかんに含まれる注目成分 “β-クリプトキサンチン”

近年の欧米の栄養疫学調査により、果物・野菜などに含まれるカロテノイド類に含まれる抗酸化物質が、老化や生活習慣病などの多くの疾病予防に重要な役割を果たしていることは皆さんもご存知ではないでしょうか?
そのカロテノイド類の中のひとつである“β-クリプトキサンチン”には様々な疾病におけるリスク低減に関与しているといった報告がなされています。
この“β-クリプトキサンチン”はみかんや柿、オレンジに含まれており、特に日本の温州みかんに多く含まれていることから、実際にどのような疾病予防に関係するのかを明確にするため、農林水産省を中心に10年間の栄養疫学調査が行われました。これは「三ヶ日町研究」と言われ、日本の名だたるみかん生産地、静岡県浜松市(旧三ヶ日町)で2003年から行われた調査です。また2015年4月にスタートした「機能性表示食品制度」において、生鮮食品で初めて「三ケ日みかん」の機能性表示が認められたことでもニュースになりましたね。
この三ケ日みかんの機能性研究についてご紹介します。

みかんは生活習慣病リスクを下げる

この調査において、三ヶ日町の住民の血中β-クリプトキサンチン濃度が低いグループ(みかんを毎日は食べない)、中くらいのグループ(毎日1~2個食べる)、高いグループ(毎日3~4個食べる)に分け、下記疾患の発症率を調べたところ、血中β-クリプトキサンチン濃度が高いグループでは統計的に以下3つの疾患において、発症リスクが低いという結果が出ました。
これにより、生活習慣に起因して起こる疾病予防に有意に関与していることが明らかになりました。

・2型糖尿病
・脂質代謝異常症
・非アルコール性肝機能異常症*

*お酒の過剰飲酒で起きるアルコール性脂肪肝に対し、お酒を飲まないのに発症する脂肪肝を非アルコール性脂肪肝(NAFL)といいます。

骨粗鬆症予防や血管強化力もUP!

“β-クリプトキサンチン”は、骨の代謝に及ぼす影響についても研究が行われており、生活習慣病予防のみならず、骨粗鬆症予防への効果も期待されています。 こういった研究の成果により、2015年には “骨の健康に役立つ”機能性表示食品として、「三ヶ日みかん」が消費者庁に受理されることになったのです。

みかんの白い筋、今や血管強化のポリフェノール。ヘスペリジン

みかんには他にも、疲労回復や風邪予防に役立つビタミンCやクエン酸、便秘予防にも最適な食物繊維などが含まれています。
また、柑橘類の皮と実の間に見られる白い筋や、皮、袋の部分には、ポリフェノールの一種であるヘスペリジン※といった成分が含まれ、このヘスペリジンには、毛細血管を保護して血管を強化する効果があるようです。
※ヘスペリジンは、ビタミンCと一緒にレモン果実中から発見された成分です。ヘスペリジンには毛細血管の抵抗性増強、血管透過性の増大を抑制するなどの作用があり、血管そのものに働きかける成分です。血管の役割は体内に栄養や酸素をすみずみまで届けることですから、こうした循環がスムーズに行われるということになります。以前はヘスペリジンは水にほとんど溶けなかったため、利用範囲が限られていました。昨今、各メーカにより水溶性を向上させた『糖転移ヘスペリジン(有効成分:モノグルコシルヘスペリジン)』が開発されたことにより、利用範囲がぐんと広がり、身近な食品でも摂ることができるようになりました。

このような健康効果が期待できるみかん。産地や収穫時期は様々ですが、スーパーなどで気軽に手に入るのは冬の寒い時期のみです。世界各地のフルーツが容易に手に入る時代ですが、この時期特に身近なみかんの存在を、新たな価値観をもって見直してみてはいかがでしょうか。

《参考》
農研機構
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/fruit/062031.html

JAみっかび
https://mikkabi.ja-shizuoka.or.jp/

e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター
http://www.kanen.ncgm.go.jp/cont/010/shibousei.html