日本人はなぜ健康食品が好きなのか? 【健康食品を考える】シリーズ④

LINEで送る
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加

前回までは、健康食品は健康に役に立つが治療には向かない。人は効く健康食品を期待してしまう。という話をしてきました。今回は食品と医薬品の根本的な違いをテーマにして健康食品の食べ方を考えてみます。

前回のテーマの中で健康食品を利用する人の意識調査を例に、「健康食品は健康管理に役立つものと理解はしていても、深層心理は薬のような、効く(効果)を健康食品に期待してしまう。そのことが健康被害を生む要因の一つにもなっている」というお話をしました。その背景には、効く、つまり疾病に対する有効性と、役に立つ、つまり健康管理に役立つという有用性の違いを理解していない人が多い気がするのです。

健康食品はいつも食べているもので、薬は体に存在しないもの。

人が口にするものは「食品」と「医薬品」しかありません。
法律上は、食品衛生法第4条で「食品とはすべての飲食物をいう。但し、薬機法に規定する医薬品及び医薬部外品は、これに含まない。」と明記され、食品と医薬品に分類しています。
また食品の成分は栄養素とそうでないもの(非栄養素)に分けられます。栄養素はエネルギーの元となる3大栄養素の糖質、脂質、タンパク質に加え、体の機能を整えるビタミンとミネラルの5大栄養素です。それ以外は非栄養素と呼ばれます。食物繊維やポリフェノールといった機能性成分たちです。もちろん非栄養素は栄養素ではないから、生物学的には必要ないと考えることもできますが、現在カラダにいいとされる栄養素以外の成分の働き(これを機能性と呼んでいる)が注目され、まさに健康食品成分の主役になっているわけです。

ところで食品と呼ばれる食べ物は、普段から食べているものです。
健康食品だって、体に良いとされる食材だって、中身は普段食事として食べているものばかりです。かたや医薬品は本来人間の体には存在しない成分が主流です。薬は普段飲まないものだし、食品には含まれない成分だから、薬を摂取する、しないによって、体への働きの違いを検査しやすい。つまり効くかどうかの結果が出やすいのです。さらに医薬品は決められた量を決められた時に飲むのに対し、食品は好きな時に好きな量を食べることができます。
そのため健康食品を食べない時、食べた時の結果の違いが調べにくいのです。

摂取する成分量も食品と医薬品では異なる

ビタミンは食品にも医薬品にも使われます。しかし医薬品に使われるビタミンは食品に含まれるビタミンの量とは圧倒的に違います。また医薬品であるビタミン剤は都道府県知事等に登録された店舗で有資格者しか販売することができません。それは医薬品が病気の予防・治療・検査を目的として作られたものだからです。ここが食品との根本的な違いです。医薬品は体に本来無い物です。カルニチンやコエンザイムQ10のように体内で作られるものを前提とした製剤は別として、化学合成医薬品の多くは、普段から摂取するものではありません。

たまに「医薬品にも使われている成分です」との文言で製品の有効性をアピールしている健康食品があります。
しかし表示成分の製品中の含有量は、実態は効果が期待できないほど微量であったり、医薬品とは利用目的や方法が異なっていたりする製品もあります。確かに、食べ物に含まれる成分が薬として使われることは多々あります。カリウムやカルシウムの薬もありますし、しょうが湯やくず湯の成分が入っている風邪薬もあります。

元来、薬は自然界に存在する動物や植物、鉱物から「これは効きそう」という成分を見つけ、作られたのが始まり。
だから食べ物にある種の薬の成分が含まれるのは当然と言えます。ただその性能や使われる量が半端なく違うのです。
ビタミンCだって取りすぎるとカラダを悪くします。

このように使う量が違う点に加えて、カラダへの働き方の違いも食品と医薬品で異なります。
そのことは次回でお話ししましょう。