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日本人はなぜ健康食品が好きなのか? その3

前回は、昨今はユーザーの意識だけではなく、新しい学術の知見や社会情勢など取り巻く環境も変わってきました。このテーマの最終話はユーザーが満足を感じる付加価値(情報提供)とは何か?を考えてみます。

ビタミンやミネラルを手軽に摂取できる方法として野菜や果物は有効です。しかし最近の野菜はビタミンやミネラルが非常に少なくなっています。またそれ以外にも肥料の与えすぎや残留農薬の問題、硝酸塩の過剰、加工品の食品添加物の多さ、などなど危惧されていることも増えてきました。
だから野菜をとってもあまり意味がないとか騒ぐ人も多いようです。でも余計な心配ばかりして必要な食材を食べないことは本末転倒です。
心配なのは、余計な心配ばかりして必要な食材を食べないことによる弊害の方が心配なのです。

一時期、糖質制限とか糖質ダイエットなどが騒がれました。しかし最近少し落ち着き始めています。

なぜなら多くの医師が糖質ダイエットに対する危惧を言い始めたからです。確かに糖尿病の人、肥満症の人にとって糖質制限あるいは糖化(余った糖が体内でタンパク質と結びつくことによって、AGEsという老化促進物質が出来ることが危惧されています)を防ぐ食生活が有効なことは事実です。
しかし糖質制限が必要な人の中には、糖質過剰な食生活を改善しようと考えていない人も多いのも事実です。「医者の不養生、健康産業の不健康」といった笑い話のような皮肉な話もあるほど、必要な人こそ、できていない現実もあるということなのでしょう。逆に健康な人でダイエットする必要もない人が、しきりに糖質ダイエットに傾倒している気がします。
若い子が不必要な糖質制限をすることによって、将来的に妊娠したときの心配や、年取ってからの認知症のリスクが増えるなどといった問題も指摘されています。

また現代の食生活は豊かになったようで実は食品の摂り方に問題があり、また偏った食生活により栄養のバランスが非常に悪いと言う現状が露呈してきました。
現在日本人の中で最も栄養失調が多いと言われている世代は20代の女性です。ダイエットに良い食品だとか、お肌にサプリだとか、一見健康に気をつけているように見える彼女たちの食生活は非常にバランスが悪く乱れているようです。これがいい、あれがいいではなく、それらをバランスよく摂取することが重要ですし、加えて続けていくことが大切です。

現代の食生活は昔と比べるとかなり食品の種類も増え機能性の食品などもどんどん開発され豊かな食生活を送れているように思われがちですが、実は食品の取り方に問題があり、また偏った食生活により栄養のバランスが非常に悪いという現状もあります。

在日本人の中で最も栄養失調が多いと言われている世代はどの世代だと思いますか?
おじいちゃん、子供? いえいえ実際は 20 代の女の子たちです。ネットでダイエットに良い食品だとか、お肌にサプリだとか、一見健康に気をつけているかのように見える彼女たちの食生活は非常に乱れています。バランスが悪いのです。健康情報は世の中にいっぱい溢れています。ただそれらをどのようにバランスよくとっていくかということが重要であり、また、それを続けていくことが最も重要なのです。

人間の体を構成する栄養と言えば多くの人が、肉魚、野菜、果物、あるいはわかめ昆布大豆といったミネラルやタンパク質の良質なものを取ろうとします。
確かにその事は大切なことなのですが、豚肉鶏肉牛肉、あるいは魚といった体の元になる3大要素を含む食べ物というのは、それを体内で代謝するために、それぞれごとで必要なビタミンやミネラルが違うのです。
だから魚だけ食べてればいい、トマトやブロッコリーブロッコリーをしっかりとれば良いと言うものではなく、いろんなものを少しずつ食べるということが大事なことです。糖質、タンパク質、脂肪といった3大栄養素は肉や骨になるため子燃焼効率が非常に良い栄養素です。かたや、ビタミンやミネラルは消費効率が非常に悪い栄養素です。つまり代わりがきかないビタミンB1の代わりはない、ビタミンCの代わりはない、だから日本人にとって必要な13種類のビタミンやミネラルをバランスよく全て取らなくてはいけないのです。

でもそれは忙しい現代人にとってとても難しいことです。だからこそ食材を食べかつその食材の足りない部分をサプリメントで補うと言う考え方が重要なのです。サプリメントをとっているから野菜を取らなくていい。肉を食べなくていいという事はありません。

さらに環境の変化の一つに、昨今の食べ物にやたら甘いものが増えてしまったという問題もあります。
野菜を例にとれば甘いトマトとか、酸っぱくないりんごなどが売れる時代です。「甘い=美味しい」という勘違いが横行しています。
本来、野菜に含まれる体に良い成分たちは、大抵、苦かったり、匂いがきつくて食べづらい、といったものが多いのです。よくサプリメントの開発者仲間で話をすることがあります。「食べ物が美味しく、かつ食べやすくなっていった過程の中で、食物の有用な成分たちがどんどん削られてしまった、その削っていった成分たちを、また補うためにサプリメントが作られている」と。なんと皮肉なことでしょう。

ところでサプリメントを摂取して、実感のある人と全くない人がいます。その違いはなんでしょう。
サプリメントを食べて効果が得られた人には共通の特徴があります。それは「食生活を改善しているか、してないか」ということです。普段しっかり食事をせず、忙しい生活をして、十分な休養や運動しない生活をしている人が、どれだけ体に良いサプリメントを摂ったところでほとんど効果は出ません。でも正しい食生活をして普段からしっかり食事をし、運動もし元気に生活している人ほど、サプリメントを取ったときにその効果を享受できるのです。例えばタンパク質やプロテインをしっかりとっても、スムージーをしっかり飲んでも、レジスタンス運動など、適度な運動をして消費しなければ、ただの残留物になります。サプリメントはお薬では無い、だからこそ食物と一緒に取らなくてはいけないのです。
何故かはその作用機序の違いがあります。そのメカニズムについては今後お話ししていきます。


このシリーズは、食品業界誌に連載している寄稿を一部修正。追記してお届けするコラムです。
このシリーズでは食や栄養の基本的な考え方や今話題の健康キーワードなどを通じて健康食品について考えていきたいと思います。さらには薬とサプリメントは何が違うのか?また栄養素と非栄養素、機能性成分がどうからだに作用するのか?などにも触れていきたいと思います。

セルフケア推進協議会 代表理事 橋口智親