[食材選びは栄養素から!]シリーズ②

セルフケアを意識した生活を送るために、欠かすことのできない毎日の食事。ご自身、またはご家族の健康を考えて作る献立は、楽しくもあり、難しくもあるものです。そこでこのシリーズでは、見過ごしがちな普段づかいの食材の栄養素をクローズアップしていきます。「この栄養素とあの栄養素が足りていないから、今週はこの食材を使った料理をつくろう!」と、買い物をしながら頭の中で献立ができあがるようになれば、もうセルフケアの上級者!?
みなさんの毎日の献立づくり、総菜選びのヒントとしてご活用ください。


スーパーではおなじみの緑黄色野菜、ブロッコリー。栄養価が高い野菜として、健康と美容のために毎日の食事に取り入れている方も多いかもしれません。
日本の食卓に定着してからは30年以上経過していますが、原産地は地中海で、明治時代の初期にカリフラワーと共に西洋野菜として輸入されてきました。当時は一般には普及しませんでしたが、1982年の日本食品標準成分表の改訂によってその栄養価の高さで評判となったことに加え、保存・流通技術の進歩や家庭の冷蔵庫の普及によって、日本人にも多く食されるようになりました。
国内での主な生産地は北海道・愛知県・埼玉県などですが、原産地の地中海はもとより、中国、アメリカなど多くの国でも食されている野菜です。低温を好む野菜ですが通年にわたってさまざまな産地で栽培され、輸入もされているので、比較的年中手に入りやすくはなっていますが、多く出回る時期は10月~3月の間となります。

旬の時期真っただ中の今、ブロッコリーの魅力を改めてみていきましょう!

●ブロッコリーは栄養の宝庫!

ブロッコリーの魅力は、なんといってもビタミン、ミネラル、食物繊維など、多くの栄養素がバランス良く含まれていることです。
美容効果の他にも、疲労回復や老化防止に役立つ強力な抗酸化作用を持つビタミンC、出血を止める作用や骨を丈夫に保つ役割を持つビタミンK、体内でビタミンAに変換されることで皮膚や粘膜を健康な状態に保つ役割を担い、また抗酸化作用や免疫力をアップする作用が期待されるβカロテンなどが含まれています。
また、貧血予防や妊娠中の女性に特に必要な栄養素として知られている葉酸も多く含まれています。この葉酸は、最近では動脈硬化の危険因子となるホモシステインという物質をメチオニンという無害な物質に変換する作用があるとして、動脈硬化から引き起こされる認知症や脳梗塞の予防となる栄養素としても注目され、市民の葉酸摂取を強化する運動を行っている自治体もあります※。
その他、カリウムやカルシウム、鉄などのミネラル、食物繊維も含まれていることから、ブロッコリーは栄養の宝庫といって間違いないでしょう。

※坂戸市葉酸(ようさん)プロジェクト

ビタミンB群の一種である葉酸が、認知症や脳梗塞などの予防に効果があるとした女子栄養大学の研究を活かし、同大学と協働で市民に1日400㎍の葉酸摂取を勧める運動が行われている。厚生労働省が定めた食事摂取基準240㎍を超えた400㎍の摂取は、遺伝子的に葉酸の代謝能力が低い場合でも、400㎍摂取すれば効果が得られるとして設定されている。

※また昨今の研究では、葉酸とビタミンB12の組み合わせにより、神経性疼痛(首、肩のコリ)などにも効果が期待されています。

●話題の成分スルフォラファン

ここ数年、機能性野菜として注目されているブロッコリースプラウト。これが成長してブロッコリーになるとは想像もつかないような小さな新芽のことで、カップやパックに詰められた形で普通のスーパーでも今ではよく見ることができます。
その気になる機能は、スルフォラファンという成分にあります。私たちのからだには、細胞にダメージを与える活性酸素を除去する抗酸化力、有害物質を排出する解毒作用などが備わっています。それがストレスや加齢、生活環境などによって細胞のダメージの方が上回ってしまうと病気やからだの不調が現われますが、スルフォラファンにはその抗酸化力や解毒作用を高める作用があることが、アメリカの医学者による研究によって報告されました。
それは1990年代の研究ですが、以降世界中でスルフォラファンの研究が行われ、最近ではピロリ菌に対する殺菌作用やスギ花粉による炎症の緩和、健康な肝機能の維持など、さまざまな効果も期待されています。
本題のブロッコリーには、残念ながら微量しか含まれていませんが、それぞれの特徴を踏まえれば、どちらも毎日の食事に取り入れたい野菜として覚えておきたいものです。その栄養を余さず摂取するために、ちょっとしたコツも覚えておいてくださいね。

【ブロッコリーの調理法】

お鍋に大量のお湯を沸かしてゆでると、せっかくの栄養素が大量に失われてしまいます。
それを防ぐために、以下の方法で固めに仕上げるようにしましょう。茎にも栄養が含まれますので、固い皮をそぎ落としてから食べやすい大きさに切り、房と一緒に調理して食べましょう。柔らかく食べたい場合は、好みの堅さになるように調理時間を長くすればよいのですが、ゆで汁や煮汁も残さず飲むようにするとよいでしょう。

・蓋のあるフライパンやお鍋に洗って小房に切り分けたものを敷き詰め(茎が下になるように置く)、鍋底から5mm~1cmくらいの少量の水を張って蓋をし、水が沸騰してから3分程度蒸す。ザルにいれて水を切り、そのまま冷ます。
・洗って小房に切り分け、大さじ1~2の水をまわしかけてラップをし、電子レンジで
1分30秒から2分加熱する。
・スープや炒め物に使う場合は、生のままで仕上がりの数分前に入れると食感が残る。

【ブロッコリーの保存】

ブロッコリーは低温での保存が適しています。常温ではあまり日持ちがしませんが、以下の方法によって日持ちが長くなります。ご自宅の冷蔵庫の状況に合わせて試してみてください。
・購入後すぐ、洗わずにビニール袋に入れて(口はきっちり閉じる)野菜室で保存
・茎の下を1cmくらい切り落とし、水の入った容器に茎を入れて立たせるようにし、その上からビニール袋で覆って乾燥を防ぐ。そのまま冷蔵庫で保存
・冷蔵庫のチルド室に入る場合には、密閉できるビニール袋に入れてチルド室で保存


《参考》
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
「健康食品」の安全性・有効性情報
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail1265lite.html

文部科学省 食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl

独立行政法人農畜産業振興機構
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_000537.html

坂戸市葉酸プロジェクト
https://www.city.sakado.lg.jp/site/yousan/483.html