アンチエイジングの三要素 その2【健康キーワード解説】シリーズ②

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前回は酸化とは?から始まり、活性酸素をやっつけるスカベンジャーや抗酸化物質について触れてきました。今回はその抗酸化物質について取り上げて、その種類と役割についてご紹介します。また抗酸化物質の主役ともいうべき、植物が作り出すフィトケミカルズのいくつかをご紹介したいと思います。

スカベンジャーと抗酸化物質が連携して活性酸素を除去する

活性酸素は酸素分子が他の分子と結び付いたり、電子だけを奪って出来る化合物という話をしました。その分子の構成によって色々な種類の活性酸素があります。特に悪玉と呼ばれる4種類、最も多くできるスーパーオキサイドラジカル(スーパーオキシド)、そこからできる過酸化水素やヒドロキシラジカル、皮膚直下などにできる一重項酸素があり、それぞれ特性を持っています。さらに活性酸素を広義でとらえると過酸化脂質(酸化した脂)なども活性酸素の部類になります。これらの物質は不安定な構造だから、何かと結びつく力(活性力)が強いので、いろいろな分子と反応しやすい構造をした特殊な分子という意味でフリーラジカルとも呼ばれます。よく聞く言葉ではないでしょうか?

前回、人間の体にはそもそも活性酸素を除去するスカベンジャー(活性酸素除去物質)と呼ばれる、酵素やビタミンがあるお話をしました。その役割は簡単に言えば、「電子が不安定な状態にある分子の活性酸素に、電子を与えて分子の構成を変えれることで活性酸素の酸化力をなくす」ということです。


スカベンジャーの1つに「スーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD)」という酵素があります。これが活性酸素の1つ、スーパーオキシドを過酸化水素に変える働きをします。でも過酸化水素も活性酸素の1つですから、さらに別の酵素、「カタラーゼ」「グルタチオン・ペルオキシターゼ」といったスカベンジャーが活躍して、過酸化水素を最終的に無害な水に変えます。さらに過酸化水素の発生に除去が追い付かなくなると、今度はビタミンB2が手助けする、という具合です。またこれらのスカベンジャーは亜鉛、銅、セレン、マンガンといった微量ミネラルが作るのです。このように活性酸素を除去するメカニズムが巧妙に連携して皆さんの体を守っています。

抗酸化物質の役割はさまざま

生きていくのに酸素が不可欠である以上、私たちの身体にはこの活性酸素の働きを阻止する物質もちゃんと作られているわけです。その働きが「抗酸化力」なのです。また抗酸化物質は細胞だけではなく、体の中の重要な物質も守ってくれています。

ただ現代社会は活性酸素を不必要に増やしている環境です。かつての数百年、数千年前の人々の体と現代人の体では、活性酸素のできる量も違いますし、体内に蓄積されている毒素の量もきっと違うのでしょう。昔の人の方が遥かにきれいな体内をしていたでしょうし、医薬品などの力を借りなくても自然の力で抗酸化力を補っていたのかもしれませんね。それこそが皆さんが摂取している植物成分の味、香り、色の成分(フィトケミカル)といったサプリメント成分であり、抗酸化物質と呼んでいるものです。
それぞれが、①活性酸素の発生を抑えるもの、②活性酸素の酸化力を抑えるもの、③活性酸素で受けた被害を修復するもの、といった役割を持っていて活性酸素に対する働き方が違います。

人は自ら野菜から取り除いた抗酸化物質をサプリメントで補っている

抗酸化物質には体内で合成される体内合成抗酸化物質のほかに、ポリフェノールとカロテノイド、硫黄化合物があります。味・色・香り成分たちです。
近年注目されているポリフェノールには、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、大豆に含まれるイソフラボンやサポニン、ゴマの成分が変化してできるセサミノール、そばに含まれるルチン、緑茶のカテキンと発酵茶(紅茶・ウーロン茶など)のテアフラビンの総称であるタンニンなどがあります。

ポリフェノールとは機能性をもつ成分たちの総称で植物に数千種類も存在します。またカロテノイドは緑黄色野菜や果物など多くの食品に含まれる色素で、β-カロテンやリコピン、えびやかになど甲殻類や、さけ・ますなど魚類がもつアスタキサンチンなどが知られています。また硫黄化合物はブロッコリーのスルフォラファンやニンニクのアリシンなど匂い成分たちです。
ポリフェノールは構造上のベンゼン環などに複数の水酸基(フェノール基)を持っています。このポリフェノールの水酸基が生体にとって不都合な活性酸素分子などを捕捉して解毒することを抗酸化作用と呼んでいます。野菜や果物に含まれるポリフェノールをたくさん摂るのが体に良いというのは、この抗酸化作用を期待しているからです。抗酸化物質は、活性酸素だけではなく、抗酸化物質が体内で働く結果、痛みが和らぐ(鎮痛)、傷を癒す(消炎)炎症を鎮める(抗炎症)、がん細胞を抑える(抗癌)など、多岐にわたる機能性を発揮してくれます。さらに体の代謝をスムーズに行う手助けもしてくれるのです。
このフィトケミカルズの働きについては植物の持つすごい力がいっぱい、関与しています。私の専門分野なので、また機会があればフィトケミカルについてお話ししていきたいと思います。

実はサプリメント開発においては、皮肉なことが起きています。
昔の野菜は香りが強かったり、苦かったり、色が見た目が悪かったりするものが多かったです。現代人は苦いからと言って、苦くない野菜を作り、臭い匂いが嫌だと匂いがしない野菜を作ってきました。つまり、植物本来がもつ味・色・香りといったフィトケミカル成分を削除し、甘いだけの野菜を作り上げてしまったのです。健康維持とかアンチエイジングとか言いながら、その排除した抗酸化物質を今度はサプリメントという形で添加して食している、変な動物が人間なのです。

次回は、アンチエイジングの2つ目のキーワードで最近注目されている、「抗糖化」について、数回に渡って紹介していきます。

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